2026.09.17

コラム

ドローン 飛行禁止区域2026|7月14日の拡大後に確認すべき空域と秋の散布・空撮前チェック手順

ドローン 飛行禁止区域2026

9月中旬に入り、水稲の収穫や秋起こし、秋冬野菜の防除、台風後の圃場・ハウス・太陽光設備の確認など、ドローンの出番が一気に増える時期になりました。一方で見落とされやすいのが「そこは飛ばしてよい空域なのか」という確認です。とくに2026年7月14日からドローンの飛行禁止エリアが拡大しており、これまでと同じ感覚で飛ばすと、気づかないうちに飛行できない区域に入ってしまうおそれがあります。

この記事では、農業・空撮・点検でドローンを使う方に向けて、飛行禁止・制限される空域の全体像、許可・承認が必要になる「特定飛行」の考え方、そして飛行前に何をどの順番で確認すればよいかを、実務チェックリストの形で整理します。なお空域や制度は改正・更新が続く分野です。最終的な判断は必ず飛行日時点の最新の公式情報で行ってください。

まず押さえる:ドローンが「飛ばせない・許可が必要」になる2つの軸

ドローンの規制は、大きく次の2軸で考えると整理しやすくなります。

  • ①場所(空域)の軸:空港等の周辺、一定の高度以上、人口集中地区(DID)、緊急用務空域、重要施設の周辺など。場所によって「飛行そのものが禁止」か「許可が必要」かが変わります。
  • ②飛ばし方(方法)の軸:夜間飛行、目視外飛行、人や物件から30m未満の飛行、催し場所の上空、危険物の輸送、物件投下。農薬散布はこのうち危険物輸送+物件投下に該当するのが一般的です。

この①②のどちらか(または両方)に当たる飛行は、航空法上の「特定飛行」として、国土交通省への許可・承認や、飛行計画の通報が必要になります。農業用ドローンによる農薬散布は、ほぼ必ずこの手続きが前提になると理解しておきましょう。手続きが煩雑に感じる場合は、飛行申請の代行をご相談いただくのが確実です。

2026年7月14日からの飛行禁止エリア拡大で気をつけたいこと

2026年7月14日から、ドローンの飛行禁止エリアが拡大されます。ここで重要なのは「拡大の中身を暗記すること」ではなく、自分の飛行予定地が新しい区域に入っていないかを、飛行のたびに最新の地図・システムで確認する運用に切り替えることです。

とくに次のようなケースは、過去に問題なく飛ばせていた現場でも再確認が必要です。

  • 毎年同じ圃場で散布しており、数年前に取った包括申請の内容をそのまま使い回している
  • 圃場が空港・飛行場、自衛隊・米軍施設、発電所、大規模インフラの比較的近くにある
  • 市街地に近い圃場、住宅が増えてきた地域の圃場(DIDの範囲は国勢調査の更新で変わります)
  • 山間部で目視外に近い飛ばし方をしている、または尾根越しに飛ばしている

「去年は飛べたから今年も大丈夫」という判断が最も危険です。圃場が広域に分散している法人・集落営農では、圃場リストと空域の突き合わせを年1回の定例作業にすることをおすすめします。

空域・飛行方法ごとの確認早見表

下表は「どこを見て、どう判断するか」の整理です。個別の現場判断は条件次第で変わるため、あくまで確認の入口としてご利用ください。

区分 内容 確認のポイント
空港等の周辺 空港・飛行場周辺に設定された制限表面や進入表面の範囲 地図上の距離感ではなく公式の区域図で確認。空港管理者との調整が必要な場合あり
一定高度以上 地表・水面から150m以上の高さの空域 山間部の空撮は対地高度の管理に注意。傾斜地では想定より高度が出やすい
人口集中地区(DID) 国勢調査に基づく人口集中地区の上空 市街地に隣接する圃場は境界線ぎりぎりのことがある。最新の区域データで確認
緊急用務空域 災害時などに捜索・救助のため設定される空域。原則飛行不可 台風・地震・大規模火災の直後は当日・直前に必ず確認。設定は突発的
重要施設周辺 小型無人機等飛行禁止法の対象施設とその周囲(防衛関係施設、原子力事業所など) 航空法とは別の法律。許可の窓口も異なるため早めの確認が必須
条例・私有地・施設ルール 自治体の公園条例、河川・道路の管理者ルール、土地所有者の意向 航空法上は問題なくても飛ばせない場所は多い。地元への事前連絡が実務上の要
飛ばし方(特定飛行) 夜間/目視外/人・物件から30m未満/催し場所上空/危険物輸送/物件投下 農薬散布は危険物輸送+物件投下に該当するのが一般的。承認と飛行計画通報が前提

秋の現場別・飛行前チェックの進め方

①農薬・肥料散布(水稲後の秋冬野菜・麦作など)

散布は「空域」と「飛ばし方」の両方に関わるため、確認項目が最も多い作業です。手順は次の順番が効率的です。

  1. 圃場の位置を公式の地図情報で確認し、禁止区域・制限区域に該当しないかを見る
  2. 該当する場合は、許可の要否と窓口(航空法か別法令か)を切り分ける
  3. 包括申請の有効期間・対象機体・対象区域が今年の実態と合っているかを点検する
  4. 飛行日ごとに飛行計画を通報し、当日は緊急用務空域の設定有無を再確認する
  5. 風速を計測(農薬散布は農林水産省の規定で風速3m/s以下で実施。機体の最大使用風速8m/sとは別基準)
  6. 周辺の住宅・道路・通学路・養蜂・有機圃場・隣接作物への配慮と事前連絡

薬剤は必ず対象作物・対象病害虫に登録のあるものをラベルの記載どおりに使用し、地域の防除指針やJAの防除暦を確認してください。ドローン散布に適用がある剤かどうかは、剤ごとに異なります。

②空撮・点検(台風後の圃場、ハウス、太陽光設備)

9月は台風後の被害確認で空撮ニーズが高まりますが、同時に緊急用務空域が設定されやすい時期でもあります。被害が大きい地域では捜索・救助のヘリが飛ぶため、「善意の被害確認」が重大な支障になりかねません。設定状況は必ず離陸直前に確認し、設定されていれば飛ばさない判断を徹底してください。

また、太陽光設備や鉄塔・屋根の点検では、人や物件から30m未満の飛行になるケースが多く、承認が前提になります。自社対応が難しい場合はオペレーション代行のご利用も検討ください。

③運搬・林業(獣害柵資材、山林の資材上げ)

山間部は目視外飛行になりやすく、電波環境も不安定です。物件投下を伴う場合や、送電線・索道の近くを飛ぶ場合は、空域と併せて設備管理者との調整が必要になることがあります。傾斜地は対地高度が読みにくいため、150m基準にも注意しましょう。

「機体側の前提条件」も忘れずに

空域の確認と同じくらい重要なのが、機体側の準備です。以下は許可・承認の審査や保険・メーカー保証の前提になりやすい要素です。

  • 機体登録とリモートID:登録は3年で満了。更新漏れは飛行できない状態を招きます
  • 年次点検(年1回):国土交通省への飛行許可・承認申請やメーカー保証の前提条件となる重要な整備です。現行機の点検費は8万円程度(税別・目安)で、機体状態や交換部品により変動します
  • バッテリー管理:耐用は約2年・200サイクルが目安。膨らんだものは使用せず、整備事業所へご相談ください
  • 保険:マゼックス製は1年目無料のドローン保険(対人対物1億円)が付きますが、購入後にメーカーへの申請が必要です

散布シーズンが落ち着く秋以降は整備の予約が取りやすい時期です。年次点検や不具合の相談は、ドローン販売・整備のページから認定整備士在籍の当社へお問い合わせいただけます。対応内容は拠点ごとに異なるため、拠点情報もあわせてご確認ください。

自分で飛ばすか、代行に任せるか

空域確認・申請・安全管理をすべて自社で回すのが難しい場合、代行という選択肢があります。当社のオペレーション代行の料金目安は次のとおりです(すべて公式サイト掲載の実績例で、あくまで目安です。現場条件・面積・時期により変動します)。

メニュー 料金の目安 備考
農薬散布 約10,000円/回〜(4,000㎡まで) 以降1,000㎡ごとに+2,000円。飛行許可申請費用込みの目安
太陽光パネル洗浄 約10,000円/回〜(5kWまで) 以降1kWごとに+500円。申請費用込みの目安
山小屋等への物資輸送 約50,000円/回〜 現場により都度見積り。初回は下見が別途同額の目安

面積や散布回数が一定以上あり、毎年継続的に使うなら自社導入のほうが有利になる場面もあります。機体の比較検討は製品一覧から、操縦者の資格取得は国家資格スクールをご覧ください。国家資格(二等・一等)の受講料目安や日程はコース紹介に掲載しています(例:二等 経験者125,000円、二等 初学者385,000円。いずれも税込・目安)。

よくある質問

Q1. 自分の田んぼの上なら、許可なしで農薬散布してもよいのでしょうか?

いいえ。自分の所有地であっても、空域は土地の所有権とは別に管理されています。農薬散布は危険物輸送・物件投下に該当するのが一般的で、航空法上の承認や飛行計画の通報が前提になります。あわせて、DIDや空港周辺など場所の規制、風速などの散布ルールも確認が必要です。判断に迷う場合は公式LINEでご相談ください。

Q2. ドローンを飛ばすのに免許は必要ですか?

操縦自体に免許は原則として不要です。ただし農薬散布や目視外飛行などの特殊な飛行では、申請や技能証明が求められる場合があります。国家資格(技能証明)を取得しておくと申請手続きの負担が軽くなるケースがあり、一等はレベル4(有人地帯の目視外飛行)に対応する最上位資格です。産業機を初めて購入する際は、メーカー指定の機体研修受講が必須です。

Q3. 数年前に取得した包括申請があれば、今年もそのまま飛ばせますか?

そのままでは不十分な場合があります。有効期間、対象機体、対象区域、操縦者の追加など、申請内容が現在の実態と合っているかを確認してください。加えて2026年7月14日からの飛行禁止エリア拡大により、以前は対象外だった場所が新たに制限区域に入っている可能性もあります。年1回、圃場リストと空域・申請内容を突き合わせる運用が安全です。

Q4. 台風の直後に自分の農地を空撮して被害を確認したいのですが、注意点は?

災害直後は捜索・救助活動のために緊急用務空域が設定されることがあり、設定中は原則飛行できません。設定は突発的に行われるため、当日・離陸直前の確認が欠かせません。あわせて、倒木や垂れた電線、濡れた路面・軟弱な地盤など離着陸場所の安全確認も行ってください。

Q5. 空域の確認や申請を自分でやる自信がありません。代わりにお願いできますか?

はい。当社では飛行申請の代行、ドローン保険のご案内、散布・空撮・点検・輸送のオペレーション代行まで対応しています。対応可否や料金は現場条件によって変わるため、圃場の所在地・面積・作業内容をお知らせいただければ、目安をご案内します。過去記事はコラム一覧もご参照ください。

まとめ

  • ドローンの規制は「場所(空域)」と「飛ばし方(特定飛行)」の2軸で整理すると確認漏れが減る
  • 2026年7月14日から飛行禁止エリアが拡大。飛行計画時は毎回、最新の飛行禁止区域を確認する運用に切り替える
  • 農薬散布は危険物輸送・物件投下に該当するのが一般的で、承認と飛行計画通報が前提。風速は農林水産省の規定で3m/s以下
  • 台風後の空撮は緊急用務空域の設定を離陸直前に確認。設定中は飛ばさない判断を徹底
  • 機体登録(3年で満了)・リモートID・年次点検(点検費は8万円程度/税別・目安)は、許可申請や保証・保険の前提条件として整えておく
  • 代行料金の目安は農薬散布 約10,000円/回〜(4,000㎡まで)など。いずれも目安で、現場条件により変動するため個別見積りを
  • 個別の空域判断・申請・在庫や納期のご相談は公式LINEへ。全国対応・認定整備士在籍で対応します

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