2026.08.31

コラム

農業用ドローン おすすめ比較2027|飛助15・飛助10・DJIの選び方と秋の導入検討ガイド

農業用ドローン おすすめ比較2027

2026年の散布シーズンも終盤に入り、稲刈りを待つ圃場が広がる季節になりました。この時期になると「来年は自分で機体を持ちたい」「代行に頼み続けるか、購入に踏み切るか」というご相談が一気に増えます。実際、秋は農業用ドローンを検討するもっとも合理的なタイミングです。補助金の要望調査、メーカー指定の機体研修、初期設定と練習、そして春デビュー——この一連の流れを逆算すると、機種選定は秋のうちに終えておきたいからです。

本記事では、国産農業機No.1メーカー「マゼックス社」の総代理店であり、同時にDJI社の代理店でもあるドローンキングの立場から、2027年シーズンに向けた農業用ドローンのおすすめ機種と比較軸を整理します。カタログスペックだけでは見えない「整備・保険・研修・バッテリー」まで含めた総合判断のポイントをまとめました。なお本記事に記載する金額はすべて目安で、時期・仕様・現場条件により変動します。

なぜ「秋」に機種を比較しておくべきなのか

農業用ドローンは、買ってすぐ翌日から散布できる機械ではありません。産業機の初購入時にはメーカー指定の機体研修の受講が必須で、研修枠の確保、飛行許可・承認申請、保険の申請手続き、バッテリーや予備部品の準備といった段取りが必要です。さらに農薬散布は風速3m/s以下という条件(農林水産省の規定)で行うため、実際に飛ばせる日は限られます。春に慌てて準備を始めると、防除適期に間に合わないケースが少なくありません。

加えて、補助事業を使う場合は前年秋〜冬の要望調査や見積り提出が入口になることが一般的です。詳しい段取りはコラム一覧の補助金・導入スケジュール記事もあわせてご確認ください。つまり秋にやるべきことは「買う決断」よりも先に、自分の圃場条件に合う機種を絞り込むことなのです。

農業用ドローンを比較する5つの軸

①散布面積と1日の稼働量

飛助シリーズの場合、1バッテリーの飛行時間は最大25分、薬剤を搭載した実運用では平均17分程度です。液剤散布では1haあたり8L程度が目安になるため、タンク容量が大きいほど1回のフライトでカバーできる面積が増え、往復と補充の回数が減ります。面積が大きい、あるいは請負散布まで視野に入れるなら大容量機、自作地中心で圃場が分散しているなら軽快な機体が向きます。

②液剤だけか、粒剤も撒くか

秋の追肥や土づくり、水稲の初期除草剤(粒剤)まで年間で使いたい場合は、粒剤散布装置付きの「プロ」仕様が選択肢になります。液剤専用の「アドバンス」仕様との価格差は、後述の比較表のとおりです。粒剤運用まで含めると年間の稼働日数が増え、費用対効果の計算が変わってきます。

③バッテリー本数と維持コスト

見落とされがちですが、実務では1日の農薬散布にバッテリーは最低6本、余裕を見て8本が目安です。バッテリーの耐用は約2年・200サイクル程度で、膨らんだものは使用禁止・すぐ整備事業所へという安全ルールも共通です。機体本体の価格だけでなく、バッテリーと充電環境を含めた総額で比べてください。

④整備・点検体制(実はここが最重要)

年1回の機体年次点検は、国土交通省への飛行許可・承認申請やメーカー保証を受けるうえでの前提条件になります(航空法上の点検・整備は許可条件や努力義務をベースとした位置づけで、「点検しなければ即違法」という趣旨ではありませんが、実務上は避けられません)。現行機の点検費は8万円程度(税別・目安)です。故障時にどれだけ早く復旧できるかは収量に直結するため、認定整備士が在籍する販売・整備体制があるかを必ず確認しましょう。

⑤保険とサポート

マゼックス製の機体には、購入後にメーカーへの申請を行うことで1年目無料のドローン保険(対人対物1億円)が付きます。2年目以降の更新条件を含めて、事故時の備えを最初に設計しておくのが安全です。

マゼックス農業機ラインナップ比較(2026年8月時点・定価は税別の目安)

機体・仕様 定価目安(税別) 粒剤散布 向いているケース
飛助15 アドバンス 1,200,000円 面積が大きく液剤散布が中心。作業効率を最優先したい
飛助15 プロ(粒剤散布装置付) 1,450,000円 対応 液剤+粒剤(追肥・除草剤)まで年間フル活用したい
飛助10 アドバンス 998,000円 初めての1台。自作地中心、圃場が分散している
飛助10 プロ(粒剤散布装置付) 1,248,000円 対応 中規模で液剤・粒剤の両方を使いたい。飛助DX/miniの後継
軽助25/55(運搬機) 要見積り(目安提示可) 資材・収穫物の運搬、林業・獣害柵の資材搬入
森飛15/25、延助IV 要見積り(目安提示可) 林業用途、電線・ロープの延線作業
自動操舵AF305/草刈り機Taurus80E 要見積り(目安提示可) ドローン以外の省力化。畦畔管理・トラクタ作業の負担軽減

※上記はすべて2026年8月時点の定価目安(税別)です。仕様変更・時期により変動し、値引き・下取り・在庫・納期については個別条件によりますので、必ず公式LINEでご確認ください。製品一覧ページでも各機の詳細をご覧いただけます。

飛助15が向いている人

受託散布を含めて面積をこなす方、1日で広い範囲を回る必要がある方は飛助15が第一候補です。プロ仕様なら秋の粒剤散布まで対応でき、1台で年間の稼働日数を伸ばせます。飛助15の秋購入・導入スケジュール記事もあわせてご覧ください。

飛助10が向いている人

「まず自分の田畑を自分で守れるようにしたい」という初めての1台には飛助10が扱いやすい選択です。飛助DXシリーズ・飛助miniは新規販売を終了しており(既存機のアフターサポートは継続しています)、これらをお使いの方の後継機としても飛助10をご案内しています。

運搬・林業機、スマート農機まで含めて考える

散布以外に「重い資材を運ぶ」「畦畔の草刈りが重労働」という課題があるなら、軽助25/55やTaurus80Eも比較対象に入れる価値があります。散布だけで費用対効果を計算すると導入を諦めがちですが、年間の労働時間全体で見ると回収の見え方が変わります

DJI機と国産機、どう選び分けるか

ドローンキングはマゼックス社の総代理店であり、同時にDJI社の代理店でもあります。どちらか一方を勧める立場ではないため、実務でお伝えしている考え方を正直に書きます。

まず、機体スペックは各メーカーが随時更新しているため、他社製品の細かな性能をこの場で断定することは避けます。そのうえで判断材料になるのは次の3点です。

  • アフターサポートの距離:故障時に、どこへ・何日で預けられるか。散布適期に1週間止まると影響は大きくなります
  • 操作系と日本の圃場との相性:小区画・不整形・電線が近いといった日本特有の条件で、どこまで無理なく飛ばせるか
  • 部品・バッテリーの供給と維持費:本体価格より、5年使ったときの総額で比べる

結論としては、「カタログで選ばず、自分の圃場と支援体制で選ぶ」のが失敗しない方法です。実機の違いは説明よりも見て触るほうが早いので、全国の拠点情報から近い拠点をご確認ください(拠点によって提供サービスは異なります)。

面積別・おすすめの考え方(購入/代行/レンタルの分岐)

条件 おすすめの方向性 補足
面積が小さく、散布回数も年1〜2回 散布代行の活用 農薬散布は約10,000円/回〜(4,000㎡まで。以降1,000㎡ごとに+2,000円、飛行許可申請費用込み)が目安
面積は中規模。まず操作を体験したい レンタル→購入の二段階 自分で飛ばせるか、保管・運搬ができるかを実地で確認できる
自作地が広い/防除適期を自分で決めたい 飛助10または飛助15を購入 「撒きたい日に撒ける」ことが最大のメリット。バッテリー6〜8本を前提に計画
近隣からの受託まで考えている 飛助15プロ+国家資格 粒剤対応で稼働日数を増やし、資格・保険で信頼性を確保

受託や請負を視野に入れる場合は、国家資格取得スクールの活用もセットで検討してください。受講料の目安(税込・本部のみ開催)は、二等 初学者385,000円/二等 経験者125,000円、一等 初学者725,000円/一等 経験者425,000円です。いずれも目安で、修了審査に合格すると指定試験機関の実地試験が免除されます。農閑期の11月〜2月は日程を組みやすい時期です。詳細はコース紹介をご覧ください。

比較検討時に必ず確認したい法規・安全のポイント

  • 飛行禁止エリアの拡大:2026年7月14日からドローンの飛行禁止エリアが拡大しています。飛行計画を立てる際は、必ず最新の飛行禁止区域を確認してください
  • 特殊飛行の申請:ドローン操縦に免許は原則不要ですが、農薬散布(危険物輸送・物件投下に該当)や目視外飛行などは、申請や技能証明が必要になる場合があります
  • 風速条件:飛助シリーズの最大使用風速は8m/sですが、農薬散布は農水省の規定により風速3m/s以下で実施します
  • 農薬の使用:作物・対象病害虫に登録のある薬剤をラベルの記載どおりに使用し、地域の防除指針やJAの防除暦を必ず確認してください。ドローン散布に適合した希釈倍率・使用方法であるかの確認も欠かせません

よくある質問(FAQ)

Q1. 秋に購入すれば、来春の防除にはすぐ間に合いますか?

秋のうちに機種を決め、メーカー指定の機体研修を受けておければ、春の防除には十分間に合う組み立てが可能です。逆に春先に検討を始めると、研修枠・申請・保険手続きが重なって適期を逃すことがあります。納期は時期や仕様により変わるため断定はできませんので、具体的なスケジュールは公式LINEでご相談ください。

Q2. 飛助DXや飛助miniを使っています。まだ修理してもらえますか?

飛助DXシリーズ・飛助miniは新規販売を終了していますが、既存機のアフターサポートは継続しています。部品供給や修理可否は機体の状態・年式によりますので、まずは点検のご相談を。買い替えを検討される場合の後継機は飛助10をご案内しています。

Q3. 本体価格以外に、年間でどれくらい費用がかかりますか?

主な継続費用は、年次点検(現行機で8万円程度・税別・目安)、バッテリーの更新(耐用約2年・200サイクルが目安)、保険(マゼックス製は1年目無料の対人対物1億円付き。購入後にメーカー申請が必要)、農薬・燃料・移動費などです。稼働規模によって差が大きいので、圃場条件を教えていただければ試算をお出しします。

Q4. 国産機とDJI機、どちらが「おすすめ」と言い切れますか?

圃場条件と運用体制によって答えが変わるため、一律に断定はしません。小区画・不整形圃場が多く、迅速な整備対応を重視するなら国産機が有力な選択肢です。当社は両メーカーの代理店ですので、ご希望を伺ったうえで中立にご提案します。

Q5. 購入せずに済ませたい年もあります。代行との併用は可能ですか?

可能です。実際、自作地は自分で散布し、繁忙期や遠隔地の圃場だけオペレーション代行を使う方も増えています。代行の農薬散布は約10,000円/回〜(4,000㎡まで、以降1,000㎡ごとに+2,000円、飛行許可申請費用込み)が目安で、正確な金額は現場条件により変動します。

まとめ

  • 秋は「買う時期」ではなく機種を絞り込む時期。研修・申請・保険・練習を逆算すると春デビューに間に合う
  • 比較軸は①散布面積 ②液剤か粒剤か ③バッテリー本数と維持費 ④整備・年次点検体制 ⑤保険とサポートの5つ
  • 飛助15(アドバンス1,200,000円/プロ1,450,000円)、飛助10(アドバンス998,000円/プロ1,248,000円)はいずれも税別の定価目安。時期・仕様で変動する
  • 飛助DX・飛助miniは新規販売終了。既存機のサポートは継続、後継は飛助10
  • 年次点検(8万円程度・税別・目安)は飛行許可・保険・メーカー保証の前提条件。整備体制まで含めて機種を選ぶ
  • 2026年7月14日から飛行禁止エリアが拡大。農薬は登録薬剤をラベルどおりに、地域の防除指針・JA防除暦を確認
  • 値引き・下取り・在庫・納期などの個別条件は公式LINEで確認を

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