2026.09.21

コラム

ドローン一等資格 レベル4飛行ガイド2026|二等との違い・費用目安と冬に取るべき理由

ドローン一等資格 レベル4飛行ガイド2026

9月下旬に入り、水稲の収穫と防除作業が一段落する地域が増えてきました。散布シーズンが終わるこの時期から冬までの数か月は、機体の整備と並んで「操縦者としての資格を一段上げる」絶好のタイミングです。なかでも関心が高いのが、国家資格の最上位にあたる一等無人航空機操縦士(一等資格)と、そこで語られるレベル4飛行です。この記事では、一等資格で何ができるようになるのか、二等との違いはどこか、取得の流れと受講料の目安、そしてなぜ農閑期の冬に動くべきなのかを、農業・点検・物流の現場目線で整理します。

ドローンの一等資格とは|レベル4飛行に対応する最上位の技能証明

ドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明)には一等と二等の2区分があります。このうち一等資格は、有人地帯の上空を目視外で飛ばす「レベル4飛行」に対応できる最上位資格です。市街地や住宅地など第三者がいる場所の上空を、補助者や立入管理措置に頼らずに目視外で飛行させる運用は、一等資格がなければ選択肢に入りません。

逆に言えば、圃場での農薬散布や、人の立ち入りを管理できる現場での点検・空撮といった業務は、二等資格+必要な許可・承認の組み合わせで運用しているケースが大半です。一等は「いま困っているから取る」よりも、将来の受託範囲を広げるための投資という位置づけで検討するのが現実的です。

レベル4飛行は「資格だけ」では実現しない

ここは誤解が非常に多いポイントです。レベル4飛行(いわゆるカテゴリーIII飛行)を行うには、原則として次の要素がそろう必要があります。

  • 一等無人航空機操縦士の技能証明(操縦者側の条件)
  • 機体側の認証(第一種機体認証を受けた機体)
  • 国土交通省への飛行許可・承認(飛行の内容ごとに個別審査)
  • 運航管理体制・飛行マニュアル・保険などの運航面の備え

つまり一等資格は「レベル4に挑戦するための入場券」であり、これだけで自由に市街地上空を飛ばせるようになるわけではありません。制度の詳細や審査要領は更新されるため、実際の運用計画を立てる段階では必ず国土交通省の最新情報と、案件ごとの条件を確認してください。あわせて、2026年7月14日からドローンの飛行禁止エリアが拡大しています。資格の有無にかかわらず、飛行計画を立てる際は最新の飛行禁止区域を必ず確認する習慣を持ってください。

一等と二等の違いを比較|受講料の目安と向いている人

ドローンキングは国土交通省認定の登録講習機関として、一等・二等の両方の対策コースを事業本部(名古屋本校)で開催しています。受講料はすべて税込の目安で、開催時期やコース構成の見直しにより変動する可能性があります。

区分 受講料の目安(税込) 対応できる飛行の考え方 向いている人
二等・初学者 385,000円(目安) 立入管理措置を前提とした飛行が中心。特定飛行は内容により許可・承認が必要 これから農薬散布・空撮を始める就農者や新規事業担当者
二等・経験者 125,000円(目安) 同上 すでに飛行経験・民間資格等があり、国家資格へ切り替えたい人
一等・初学者 725,000円(目安) 機体認証・許可承認と組み合わせてレベル4飛行に対応できる最上位区分 インフラ点検・物流・測量など受託事業を本格的に伸ばす法人
一等・経験者 425,000円(目安) 同上 現場経験が十分で、事業範囲を拡大したいオペレーター

上記に加えて、指定試験機関の学科試験受験料や技能証明の申請手数料など、スクール受講料とは別に国の制度で定められた費用が必要になります。金額は制度側で改定される可能性があるため、この記事では断定せず、最新額は公式情報でご確認ください。コースの日程や内容はコース紹介ページおよびドローンスクールのページをご覧ください。なお、経験者コースの受講には保有資格や飛行経験などの条件があります。ご自身が経験者区分に該当するかは、公式LINEで個別にご確認いただくのが確実です。

「人材開発支援助成金」の対象講習もあります

一等コースは金額が大きいため、企業・法人での受講では助成制度の活用検討が欠かせません。ドローンキングでは人材開発支援助成金の対象となる講習をご用意していますが、支給要件・対象経費・申請時期は事業主の状況によって大きく変わります。条件を断定できる内容ではないため、利用可否は必ず個別確認としてください。手続きの流れは公式LINEでご案内できます。

一等が必要な人・二等で十分な人の線引き

農業(農薬散布)が主目的なら、まず二等+申請が現実的

農薬散布は、危険物の輸送や物件投下に該当するため、技能証明の区分にかかわらず飛行内容に応じた許可・承認の取得が前提になります。圃場は立入管理措置を講じやすく、補助者を配置した運用が一般的なので、レベル4飛行が必要になる場面はほとんどありません。したがって「水稲・大豆・野菜の防除を自分でやりたい」という方は、二等資格を取得し、包括申請と機体の整備体制を整えるほうが投資効率は高くなります。散布そのものを外注する選択肢と比較したい場合は、オペレーション代行のページもあわせてご覧ください(農薬散布は約10,000円/回〜=4,000㎡までの目安、以降1,000㎡ごとに+2,000円の目安で、飛行許可申請費用込みです。現場条件で変動します)。

点検・物流・測量で受託を広げたいなら一等を検討

一方、次のような事業を狙う場合は一等資格が将来的な条件になり得ます。

  • 送電線・鉄塔・橋梁・プラントなど、第三者が立ち入る可能性のあるエリア周辺での点検
  • 山間部から市街地へ抜けるルートを含む物資輸送・配送
  • 広域の測量・巡視で、補助者を置きづらい長距離の目視外飛行

「今は二等で回っているが、入札や元請けの要件に一等が入ってきた」というご相談も増えています。自社の3年後の受託計画から逆算して判断するのが失敗しにくい進め方です。

取得の流れ|修了審査に合格すれば実地試験が免除

登録講習機関を使う場合の一般的な流れは次のとおりです。

  1. コース選択(一等・二等/初学者・経験者)と日程調整
  2. 学科講習・実地講習の受講
  3. 修了審査に合格(合格すると指定試験機関の実地試験が免除されます)
  4. 指定試験機関の学科試験(CBT)を受験
  5. 身体検査の要件を満たす
  6. 技能証明の申請 → 交付

ポイントは、実地試験は免除される一方で学科試験は自分で受験が必要だという点です。スクール受講中に学科の学習を並行して進めておくと、交付までの期間を短縮できます。また、一等は限定変更(目視内・昼間などの条件解除)の有無で必要な講習内容が変わるため、目的の飛行に必要な限定変更を最初に決めておくとムダがありません。

なぜ「散布シーズン後の冬」に取るのが有利なのか

9月下旬の今から動く意味は、日程の取りやすさだけではありません。

時期 やること 狙い
9〜10月 コース選択・助成金の可否確認・機体の年次点検予約 収穫作業と重ならないうちに書類と日程を固める
11〜1月 学科・実地講習の受講と修了審査 農閑期で連続日程が取りやすく、学習に集中できる
1〜2月 学科試験(CBT)・身体検査・技能証明の申請 交付までの待ち時間を春前に消化する
2〜3月 包括申請の整備・保険の確認・機体研修・飛行練習 4月以降の防除・点検案件に間に合わせる

冬に受講を済ませておけば、春の繁忙期に「資格待ち」で案件を断る事態を避けられます。産業機を新規購入する場合はメーカー指定の機体研修の受講も必須になるため、資格取得と機体準備を同じ冬のうちに重ねておくのが効率的です。機体の選定は製品一覧、整備や点検の相談はドローン販売・整備のページからご確認ください。

なお、機体の年次点検(年1回)は、国土交通省への飛行許可・承認申請やメーカー保証の前提条件となる重要な整備です。冬は整備事業所が比較的動きやすい時期でもあるため、受講日程と一緒に押さえておくと春の立ち上がりがスムーズになります。

受講前に確認しておきたい3つのこと

  • 開催場所:国家資格対策コースは事業本部(名古屋市港区)での開催です。全国の拠点では提供サービスが異なるため、拠点情報をご確認ください。
  • 区分の判定:経験者コースの対象かどうかは保有資格・飛行経験で変わります。自己判断せず事前確認を。
  • 取得後の運用設計:技能証明だけでは飛べない飛行があります。機体登録・リモートID・包括申請・保険まで含めて設計しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 一等資格を取れば、市街地の上空を自由に飛ばせますか?

いいえ。一等資格は必要条件の一つで、レベル4飛行には第一種機体認証を受けた機体や国土交通省への飛行許可・承認、運航管理体制などが別途必要です。案件ごとに審査が入るため、「資格があるから自由」ではない点にご注意ください。制度の詳細は更新されるため、計画段階で最新情報の確認をおすすめします。

Q2. 農薬散布をしたいだけなら二等でよいのでしょうか?

多くの農業現場では、二等資格+必要な許可・承認、そして適切な安全管理で運用されています。農薬散布は物件投下や危険物輸送に該当するため承認が必要で、風速3m/s以下での実施など農林水産省の規定にも沿う必要があります。使用する薬剤は登録のあるものをラベルどおりに使い、地域の防除指針やJAの防除暦を必ず確認してください。

Q3. 受講から技能証明の交付までどのくらいかかりますか?

講習日程、学科試験(CBT)の予約状況、申請手続きの混み具合によって変わるため、一律にはお答えできません。春の繁忙期に間に合わせたい場合は、逆算して秋のうちに日程を確保しておくのが安全です。具体的なスケジュール相談は公式LINEで承っています。

Q4. 助成金は必ず使えますか?

人材開発支援助成金の対象講習はご用意していますが、支給要件や対象範囲は事業主ごとの状況で異なり、制度改定もあります。条件を断定することはできませんので、活用可否と手順は個別にご確認ください。

Q5. 一等と二等、どちらから受けるか迷っています。

目的の飛行内容と3年後の受託計画で決めるのが基本です。圃場の防除が中心なら二等から、点検・物流・広域測量での受託拡大を狙うなら一等の検討価値が高まります。判断材料として、機体構成・整備体制・保険まで含めた総額の目安をご提示できますので、まずはご相談ください。ほかの導入検討記事はコラム一覧にまとめています。

まとめ

  • 一等資格はレベル4飛行(有人地帯の目視外飛行)に対応する最上位の技能証明だが、機体認証・飛行許可・運航体制とセットで初めて実現する
  • 受講料の目安(税込)は一等 初学者725,000円/経験者425,000円、二等 初学者385,000円/経験者125,000円。別途、国の制度で定められた試験・申請費用が必要
  • 修了審査に合格すれば指定試験機関の実地試験が免除される。学科試験(CBT)は別途受験が必要
  • 農薬散布中心なら二等+許可・承認が現実的。点検・物流・測量の受託拡大を狙うなら一等を検討
  • 冬の農閑期に受講→春デビューの流れが最短。年次点検・機体研修・包括申請も同時期にまとめると効率的
  • 2026年7月14日から飛行禁止エリアが拡大。飛行計画時は最新の飛行禁止区域を必ず確認する
  • 助成金の適用条件・コース区分の判定・具体的な日程は個別条件によるため、公式LINEでご確認ください

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