飛助15 導入スケジュール2027|秋に購入して機体研修→春デビューまでの準備を月別に解説
9月に入り、地域によっては稲刈りが始まりました。散布シーズンが一段落したこの時期は、来季に向けて農業用ドローンの導入を検討し始める方が最も増えるタイミングです。なかでも国産機の主力である「飛助15」は、秋のうちに購入手続きを進めておくことで、翌春の防除本番から余裕をもってフル稼働させられます。
逆に、春先(3〜4月)になってから慌てて動くと、メーカー指定の機体研修の日程確保、機体登録、飛行許可・承認申請、保険手続きといった「飛ばすまでの準備」が防除適期に間に合わないケースがあります。この記事では、飛助15を秋に購入して翌春にデビューするまでの流れを月別に整理し、それぞれの工程で何をすべきかを解説します。
なぜ「秋購入・春デビュー」が有利なのか
農業用ドローンは、買ってすぐに農薬を散布できる機械ではありません。産業機の初購入時にはメーカー指定の機体研修受講が必須で、さらに機体登録・飛行許可申請・保険加入といった事務手続きも必要です。これらを散布シーズン直前にまとめて行うのは現実的ではありません。
秋から冬にかけての農閑期に準備を進める主なメリットは次の通りです。
- 機体研修の日程を余裕をもって選べる(春は受講希望が集中しやすい)
- 飛行許可・承認申請や機体登録に時間の余裕がある
- 操縦練習・圃場マップづくり・薬剤計画を冬のうちに固められる
- 国家資格(二等・一等)の受講も農閑期に組み込みやすい
- 補助金・事業計画の検討時期と重なり、資料をまとめて準備できる
機体そのものの選定については製品一覧で仕様を比較しつつ、実際の作付面積・作物・地形に合わせた組み合わせをご相談いただくのが確実です。
飛助15の基本スペックと価格の目安
飛助15は国産農業機メーカー「マゼックス社」の主力機で、ドローンキングは同社の総代理店です。導入検討の前提として、押さえておきたい数値を整理します。
| 項目 | 内容(すべて目安) |
| 飛助15 アドバンス | 定価 1,200,000円(税別・目安) |
| 飛助15 プロ | 定価 1,450,000円(税別・目安/粒剤散布装置付) |
| 飛行時間 | 1バッテリー最大25分/薬剤搭載時は平均17分程度 |
| 薬剤の目安 | 1haの散布に液剤8L程度 |
| 最大使用風速 | 8m/s(ただし農薬散布は農水省規定で風速3m/s以下で実施) |
| バッテリー本数 | 散布1日あたり最低6本、8本あると安心 |
| 保険 | マゼックス製は1年目無料のドローン保険(対人対物1億円)付き。購入後にメーカーへの申請が必要 |
価格はいずれも定価の目安(税別)です。実際のお見積りは構成品・オプション・時期によって変わりますので、金額のご確認は公式LINEへお問い合わせください。粒剤散布装置が必要かどうか(追肥・秋の土づくりまで使うか)は、プロとアドバンスの選択に直結する重要なポイントです。
なお飛助DXシリーズと飛助miniは新規販売を終了しています(既存機のアフターサポートは継続)。後継機としては飛助10をご案内していますので、面積が小さめの方は飛助10との比較もあわせてご検討ください。詳細はドローン販売・整備のページをご覧ください。
月別スケジュール:9月から翌年5月までの流れ
ここからは、2026年9月に検討を開始して2027年春の防除でデビューする場合のモデルスケジュールです。地域の作型や研修の開催状況によって前後しますので、あくまで組み立ての型としてご覧ください。
| 時期 | やること | ポイント |
| 9月 | 機種選定・面積と作物の棚卸し・見積り依頼 | 散布対象面積、圃場の分散状況、電源環境(バッテリー充電)を整理 |
| 10月 | 実演・デモの確認、補助金の可能性検討、購入意思決定 | 補助事業の要望調査は秋に動くものが多い。制度の適否は個別確認が必須 |
| 11月 | 発注・機体研修の日程調整 | 産業機の初購入時はメーカー指定の機体研修受講が必須 |
| 12月 | 機体研修の受講/機体登録・リモートID設定 | 登録・申請は余裕をもって。年末年始は手続きが止まる期間がある |
| 1月 | 保険申請(1年目無料保険のメーカー申請)/国家資格の受講検討 | 保険は購入後の申請が必要。手続き漏れがないか必ず確認 |
| 2月 | 飛行許可・承認申請(包括申請等)/飛行禁止区域の確認 | 2026年7月14日から飛行禁止エリアが拡大。圃場周辺を最新情報で再確認 |
| 3月 | 操縦練習・圃場マップ作成・薬剤計画 | 障害物、電線、隣接作物、住宅、養蜂の有無を地図に落とす |
| 4月 | バッテリー・ノズル・予備部品の準備、近隣周知の段取り | 散布1日で最低6本のバッテリー。充電計画と運搬方法も決める |
| 5月〜 | 実際の防除でデビュー | 初年度は面積を欲張らず、条件の良い圃場から慣熟 |
工程ごとの注意点
1. メーカー指定の機体研修(初購入時は必須)
産業用ドローンは、機体の特性・散布設定・緊急時の対応を理解していないと安全に運用できません。マゼックスの産業機を初めて購入する場合、メーカー指定の機体研修の受講が必須です。研修は開催日程が決まっているため、「機体が届いたのに飛ばせない」状態を避けるには、発注段階で日程を押さえておくのが鉄則です。
2. 機体登録・リモートID
100g以上の機体は国への機体登録が必要で、リモートIDの搭載も原則求められます。登録には有効期間があり、更新の管理も必要です。散布シーズンに登録満了が重なると飛ばせなくなるため、購入時に満了時期を控えておきましょう。
3. 飛行許可・承認申請
ドローンの操縦そのものに免許は原則不要ですが、農薬散布(物件投下・危険物輸送に該当)や目視外飛行、人・物件から30m未満の飛行などの特殊な飛行は、申請や技能証明が必要になる場合があります。年間を通して散布を行うなら包括申請の形を検討するのが一般的です。
また、2026年7月14日からドローンの飛行禁止エリアが拡大しています。以前は問題なく飛ばせていた圃場でも条件が変わっている可能性があるため、飛行計画の際は必ず最新の飛行禁止区域を確認してください。申請書類の作成に不安がある方は、飛行申請代行もご相談いただけます。
4. 保険手続き
マゼックス製の機体には1年目無料のドローン保険(対人対物1億円)が付いていますが、購入後にメーカーへの申請が必要です。この手続きを忘れると無保険で飛ばすことになりかねません。納品時のチェックリストに必ず入れておきましょう。2年目以降の継続や、機体保険(機体自体の損害)の追加については条件が個別に変わるため、公式LINEでご確認ください。
5. 農薬の選定は必ず登録内容とラベルで確認
ドローン散布は少量高濃度の散布になるため、使用できる薬剤・希釈倍数・散布量は機体散布に登録のあるものに限られます。特定の薬剤をこの記事で推奨することはできません。必ず登録のある薬剤をラベルどおりに使用し、地域の防除指針やJAの防除暦を確認してください。ドリフト(飛散)対策として、隣接作物・住宅・養蜂箱の位置と風向きの確認も欠かせません。
6. 年次点検を最初からスケジュールに入れる
機体の年次点検(年1回)は、国交省への飛行許可・承認申請とメーカー保証の前提となる重要な整備です。法令上の義務として一律に定められているものではありませんが、実務上は「点検していない機体では申請も保証も通らない」と考えて運用するのが安全です。現行機の点検費は8万円程度(税別・目安)で、繁忙期を避けた秋冬の閑散期に予約するとスムーズです。春に導入した機体なら、翌年の秋冬に点検を入れる流れを最初から想定しておきましょう。
国家資格の取得は入れるべきか
農薬散布に国家資格が絶対必要というわけではありませんが、二等・一等の技能証明を持つことで一部の申請が簡略化され、受託作業を行う場合の信頼性にもつながります。農閑期(11月〜2月)は受講しやすい時期で、機体研修と並行して計画する方も多いです。
| コース | 受講料(税込・目安) |
| 二等 初学者 | 385,000円 |
| 二等 経験者 | 125,000円 |
| 一等 初学者 | 725,000円 |
| 一等 経験者 | 425,000円 |
いずれも税込の目安で、本部(名古屋本校)のみでの開催です。修了審査に合格すると指定試験機関の実地試験が免除されます。一等はレベル4(有人地帯の目視外飛行)に対応する最上位資格です。人材開発支援助成金の対象講習もありますが、適用条件は事業形態によって異なるため個別確認が必要です。コース内容はコース紹介、開催体制はドローンスクールのページをご確認ください。
「今季は代行、来季から自社機」という選択もある
秋に検討を始めても、来春までにすべての準備が整うかは経営状況によります。判断を急がず、初年度は散布代行を使いながら実際の作業を体感し、2年目に購入するという進め方も現実的です。
ドローンキングの農薬散布代行は、約10,000円/回〜(4,000㎡まで。以降1,000㎡ごとに+2,000円。飛行許可申請費用込み)が目安です。現場条件によって金額は変動しますので、正確なお見積りは公式LINEからご相談ください。代行を実際に見ておくと、必要な機体構成やバッテリー本数のイメージが一気に具体化します。対応可否は地域によって異なるため、拠点情報もあわせてご確認ください。
よくある質問
Q1. 秋に発注すれば必ず春に間に合いますか?
納期や研修の開催状況は時期によって変動するため、確約はできません。ただ、春先に動き始めるより余裕が生まれるのは確かです。具体的な納期・日程はその時点の状況を公式LINEでご確認ください。
Q2. 飛助15と飛助10、どちらを選ぶべきですか?
散布面積・圃場の分散度・1日にこなしたい作業量で変わります。飛助10はアドバンス998,000円/プロ1,248,000円(いずれも税別・目安)で、面積が小さめの方や飛助DX・飛助miniからの買い替え先としてご案内するケースが多い機体です。作付内容を伺えば具体的にご提案できます。
Q3. バッテリーは何本用意すればいいですか?
散布1日で最低6本、余裕をみて8本が目安です。バッテリーの耐用は約2年・200サイクル程度で、膨らんだものは使用せず整備事業所へお持ちください。冬期の保管は保管用の充電量を守り、極端な低温・高温を避けることが寿命に直結します。
Q4. 冬の間に練習しておくべきことはありますか?
離着陸、ホバリング、緊急時のマニュアル操作への切り替え、機体設定の確認が基本です。散布は行わず水での動作確認にとどめ、飛行前には必ず最新の飛行禁止区域を確認してください。積雪地では冬期の屋外飛行そのものが難しいため、屋内での座学・設定確認と圃場マップづくりを優先するのがおすすめです。
Q5. 補助金を使いたい場合、いつ相談すればよいですか?
制度によって要望調査や申請の時期が異なり、秋のうちに動く必要があるものもあります。金額や採択条件は制度ごとに異なるため、この記事では断定できません。導入時期とあわせて早めにご相談ください。
まとめ
- 飛助15は「買ってすぐ散布」ではなく、機体研修・機体登録・飛行申請・保険手続きを経てはじめて実運用に入れる
- 秋(9〜11月)に検討・発注し、冬に研修と各種手続き、春に練習という流れが最も無理がない
- 価格の目安はアドバンス1,200,000円/プロ1,450,000円(税別・目安)。粒剤散布まで使うかで選択が分かれる
- 1年目無料の保険は購入後のメーカー申請が必要。手続き漏れに注意
- 年次点検(現行機で8万円程度・税別・目安)は飛行許可申請とメーカー保証の前提。閑散期の予約が有利
- 2026年7月14日から飛行禁止エリアが拡大。圃場周辺の条件を最新情報で必ず再確認する
- 薬剤は登録のあるものをラベルどおりに。地域の防除指針・JAの防除暦の確認を忘れない
- 初年度は散布代行を使い、翌年購入という進め方も有効
導入スケジュールの立て方や機種構成のご相談は、面積・作物・地形を伺えばより具体的にご提案できます。他のコラムはコラム一覧からご覧ください。