2026.08.27

コラム

ドローン機体登録の更新2026|3年満了・リモートID・包括申請を秋のうちに整える手続きガイド

ドローン機体登録の更新2026

8月下旬、水稲は登熟期に入り、地域によっては稲刈りのカウントダウンが始まりました。散布の繁忙が一段落するこの時期にこそ、後回しになりがちな「書類まわり」を片づけておきたいところです。なかでも見落としが多いのがドローンの機体登録の更新。機体登録制度は2022年6月20日に始まり、登録の有効期間は3年間。つまり制度開始直後に登録した機体はすでに一巡目の更新期を迎えており、うっかり期限を切らしたまま飛ばすと航空法違反になりかねません。

この記事では、農業ドローンのオーナー(個人農家・農業法人・受託散布業者)向けに、機体登録の更新手続きの流れ、リモートIDの扱い、包括飛行許可・年次点検・保険・技能証明といった「期限がある手続き」の一覧を整理します。稲刈り後の農閑期にまとめて片づけるための段取りまで、実務目線で解説します。

なぜ今「機体登録の更新」が問題になるのか

無人航空機の登録制度は、機体重量100g以上のドローンに対して登録を義務づけるものです。登録すると登録記号(JUから始まる記号)が交付され、機体への表示とリモートID機能の搭載(一部例外あり)が求められます。無登録の機体を飛行させることは航空法違反となり、罰則の対象です。

ここで重要なのが、登録の有効期間は3年間で、期間満了後も飛ばし続けるには更新手続きが必要という点です。制度開始の2022年6月に登録した機体は2025年に、その後に導入した機体も順次、初回の更新時期を迎えます。農業ドローンは「春〜夏しか使わない」という運用が多いため、シーズンオフの間に有効期間が切れていて、翌春の初回散布の直前に気づく——というトラブルが起こりがちです。

さらに厄介なのは、機体登録が切れると飛行許可・承認申請(包括申請)や保険、メーカー保証といった周辺の手続きにも影響が及ぶことです。農薬散布は航空法上の「危険物の輸送」「物件投下」に該当する特定飛行であり、許可・承認が前提。その申請では登録済みの機体情報を使うため、登録が切れていれば散布そのものができません。散布代行を受託している事業者にとっては、そのまま売上の停止に直結します。

ドローン機体登録制度の基本をおさらい

登録が必要な機体と表示義務

  • 屋外で飛行させる100g以上の無人航空機は登録が必要(バッテリーを含む機体重量で判断)
  • 交付された登録記号を、機体に鮮明に表示する(機体サイズにより文字の大きさの基準が定められています)
  • 所有者・使用者の氏名や住所などに変更があった場合は変更届出が必要
  • 機体を譲渡・売却した場合や、廃棄した場合も届出が必要

中古機の売買では、この「所有者情報の変更」が抜けやすいポイントです。買い替えで旧機を手放す際は、ドローン販売・整備の窓口で登録情報の扱いもあわせて確認しておくと安全です。

リモートIDの扱い

登録記号などの情報を電波で発信するリモートID機能は、原則として機体への搭載が求められます。ただし、制度開始前の「事前登録」期間に登録した機体には経過措置が設けられていた経緯があり、機体・登録時期によって取扱いが異なります。更新のタイミングでリモートIDの要否がどうなるかは、機種ごと・登録ごとに条件が異なるため、DIPS(ドローン情報基盤システム)の案内と国土交通省の最新情報で必ず確認してください。判断に迷う場合は、購入店やメーカー代理店に機体の型式と登録時期を伝えて確認するのが確実です。

更新手続きの流れ(DIPSでのオンライン手続き)

  1. DIPSにログインし、登録済み機体の有効期間満了日を確認する
  2. 満了前の所定の期間に入ったら、更新申請の手続きに進む(システム上で案内が表示されます)
  3. 所有者・使用者情報、機体情報に変更がないか確認・修正する
  4. 本人確認・手数料の納付を行う(手数料額や納付方法は申請方法や時期によって異なるため、システム上の案内で確認してください)
  5. 更新完了後、新しい有効期間を台帳・飛行日誌の管理表に転記する

ポイントは「満了日を待たず、余裕をもって手続きする」こと。不備があると差し戻しがあり、修正のやり取りで日数を要する場合があります。散布の予定が詰まっている時期に重ならないよう、農閑期に済ませておくのが賢明です。

秋のうちに棚卸ししたい「期限のある手続き」一覧

農業ドローンには、機体登録以外にも期限管理が必要な項目が複数あります。散布シーズンが終わる今のうちに、下の表で自分の機体の状況を棚卸ししておきましょう。

項目 目安となる期間・頻度 秋にやること・注意点
機体登録 有効期間3年 満了日をDIPSで確認。切れると特定飛行の申請そのものが成立しない
飛行許可・承認(包括申請) 最長1年(申請内容による) 来春の散布開始日から逆算して再申請。機体・操縦者の追加変更も同時に整理
機体の年次点検 年1回が目安 飛行許可申請・メーカー保証・保険の前提条件になる重要な整備。閑散期は予約が取りやすい
ドローン保険 1年ごとの更新が一般的 マゼックス製は1年目無料の保険(対人対物1億円)付き。加入にはメーカーへの申請が必要で、2年目以降は更新手続きを忘れずに
技能証明(国家資格) 有効期間3年 更新には所定の更新講習の受講が必要。失効前に計画を
飛行日誌 特定飛行のたびに記載 飛行記録・日常点検記録・点検整備記録の3点。記載漏れは秋のうちに整える
バッテリー 耐用約2年・約200サイクルが目安 膨らんだものは使用禁止。整備事業所へ相談し、越冬保管の前に本数と状態を確認

年次点検について補足すると、これは「航空法上の罰則付き義務」というより、飛行許可・承認の条件、メーカー保証、保険の適用を維持するための前提条件という位置づけです。現行機の点検費用は8万円程度(税別・目安)で、機体の状態や交換部品によって変動します。詳しくは整備サービスのページや公式LINEでご確認ください。

農業ドローンで特に注意したい3つのポイント

1. 農薬散布は「特定飛行」。登録だけでは飛ばせない

農薬散布は物件投下・危険物輸送に該当し、原則として国土交通省への許可・承認が必要です。加えて、農薬取締法・農林水産省の指針に沿った運用(登録のある薬剤をラベルの記載どおりに使用する、周辺への飛散防止措置をとる等)も欠かせません。散布時の風速は3m/s以下が原則で、機体自体の最大使用風速(飛助シリーズは8m/s)とは基準が異なる点に注意してください。使用薬剤は、必ず地域の防除指針やJAの防除暦を確認のうえ選定しましょう。

2. 2026年7月14日から飛行禁止エリアが拡大

2026年7月14日より、ドローンの飛行禁止エリアが拡大されています。昨シーズンまで問題なく飛ばせていた圃場でも、周辺施設の状況によっては取扱いが変わっている可能性があります。来春の飛行計画を立てる段階で、必ず最新の飛行禁止区域を確認してください。区域の判断や申請書類の作成に不安がある場合は、飛行申請代行の利用も選択肢です。

3. 更新漏れは「代行の受注停止」に直結する

散布代行を請け負っている場合、登録や許可の期限切れは、そのまま受注機会の損失になります。春先は申請の混雑期でもあり、直前対応では間に合わないケースも。オフシーズンの間に、機体登録・包括申請・点検・保険をワンセットで更新しておくのが安全です。散布の外注を検討している方は、オペレーション代行もあわせてご検討ください。農薬散布代行の料金は約10,000円/回〜(4,000㎡まで、以降1,000㎡ごとに+2,000円、飛行許可申請費用込み)が目安で、圃場条件により変動します。

9〜12月にやることカレンダー(農閑期の段取り例)

時期 やること
9月 DIPSにログインし、全機体の登録有効期間・包括許可の期限を一覧化。飛行日誌の記載漏れを補完
10月 機体の洗浄・薬剤系統のフラッシング。年次点検の予約を入れる(閑散期は日程に余裕あり)
11月 機体登録の更新手続き・保険の更新確認。バッテリーの本数と劣化状況を点検し、越冬保管へ
12月 来春の包括申請を準備。国家資格の取得・更新講習の受講計画を立てる

1日の散布ではバッテリーが最低6本(余裕をみるなら8本)必要になります。冬の間に劣化本数を把握しておかないと、春先に「飛べるが1日回らない」という事態になりかねません。バッテリーは約2年・200サイクルが耐用の目安で、膨らんだものは使用せず整備事業所へご相談ください。

また、農閑期は国家資格取得の好機でもあります。国家資格スクールでは二等・一等の対策コースを開催しており、受講料の目安は二等 初学者385,000円/二等 経験者125,000円/一等 初学者725,000円/一等 経験者425,000円(いずれも税込・目安)です。修了審査に合格すると指定試験機関の実地試験が免除されます。詳細はコース紹介をご覧ください。人材開発支援助成金の対象講習もありますが、適用条件は事業所ごとに異なるため公式LINEで個別にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 機体登録の更新を忘れて期限が切れてしまいました。どうなりますか?

登録の有効期間が切れた機体を屋外で飛行させることはできません。無登録での飛行は航空法違反となり罰則の対象です。まずは飛行を停止し、DIPSで手続きの案内を確認してください。期間満了後の取扱い(更新扱いになるか、新規登録が必要か)は状況によって異なるため、システムの案内や相談窓口で確認するのが確実です。あわせて、その機体を使った飛行許可・承認の内容も見直しが必要になります。

Q2. 機体登録さえしていれば、農薬散布はできますか?

できません。機体登録は「その機体を飛ばすための入口」であり、農薬散布は物件投下・危険物輸送に該当する特定飛行のため、別途、国土交通省への許可・承認が必要です。さらに、農薬取締法に基づき登録のある薬剤をラベルどおりに使用すること、地域の防除指針やJAの防除暦を確認することも必須です。申請実務が負担な場合は飛行申請代行のご利用や、散布そのものの代行もご検討ください。

Q3. 中古で農業ドローンを買いました。前オーナーの登録はどうなりますか?

機体の所有者が変わった場合は、登録情報の変更手続きが必要です。前オーナー側・新オーナー側それぞれで必要な対応があるため、売買契約の段階で誰がいつ手続きするかを決めておくとトラブルを防げます。加えて、中古機は年次点検の履歴、バッテリーの劣化状況、メーカー保証の残存有無を必ず確認してください。判断に迷う場合は、製品一覧で現行機のスペックと比較しながら検討することをおすすめします。

Q4. 年次点検は法律上の義務ですか?

「受けなければ即罰則」という性質のものではありませんが、飛行許可・承認の条件、メーカー保証、保険の適用を維持するうえでの前提条件となる重要な整備です。実務上は「年1回受けていることが前提」と考えてください。点検費用は現行機で8万円程度(税別・目安)で、部品交換の有無により変動します。認定整備士が在籍する各拠点で対応可能ですが、提供サービスは拠点により異なります。

Q5. 更新手続きを自分でやる自信がありません。代行してもらえますか?

ドローンキングでは飛行申請代行やドローン保険のご案内を行っています。機体登録・包括申請・年次点検・保険をまとめて整理したいというご相談も歓迎です。対応範囲や費用は機体台数・申請内容によって異なりますので、公式LINEまたはお問い合わせフォームからご相談ください。

まとめ

  • ドローンの機体登録は有効期間3年。制度開始(2022年6月20日)直後の登録機は更新期を迎えており、期限切れのまま飛ばすと航空法違反になる
  • 更新はDIPSで手続き。満了日を待たず、散布の閑散期に余裕をもって進めるのが安全
  • リモートIDの要否は機体・登録時期で扱いが異なるため、最新の案内で必ず確認する
  • 機体登録のほか、包括飛行許可(最長1年)、年次点検(年1回目安)、保険、技能証明(3年)、飛行日誌の管理をセットで棚卸しする
  • 年次点検は飛行許可・保証・保険の前提条件。現行機の費用目安は8万円程度(税別・目安)
  • 2026年7月14日から飛行禁止エリアが拡大。来春の飛行計画前に最新の区域を確認する
  • バッテリーは約2年・200サイクルが目安。膨らんだものは使用せず整備事業所へ
  • 個別の期限・費用・申請条件は状況により異なるため、公式LINEでご相談ください

ほかの実務ガイドはコラム一覧からご覧いただけます。

🚁 ドローンのご相談はドローンキングへ

機体選び・国家資格・農薬散布代行まで、公式LINEでお気軽にご相談ください。全国対応・認定整備士在籍。

公式LINEで相談お問い合わせフォーム